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2026/6/26

コラム

「在留資格」と「ビザ」は違う? 意外と多い誤解を行政書士が解説

外国人の採用や、ご家族の呼び寄せを検討している企業・個人の方から、よくいただく質問があります。

「ビザを持っているから、日本にいればどんな仕事でも自由にできるのですよね?」

実は、この考え方は大きな誤解です。 日常会話では「ビザ」と「在留資格」は同じ意味で使われることが多いですが、法律上(入管法上)は全く異なるものです。この違いを正しく理解していないと、知らず知らずのうちに「不法就労」などの重大なトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。

今回は、ビザと在留資格の決定的な違いと、採用時に注意すべきポイントを分かりやすく解説します。

「ビザ(査証)」は日本に入国するための「推薦書」

ビザ(査証)は、外国人が日本へ渡航する前に、海外にある日本の大使館や領事館がパスポートに発給するものです。 これは、いわば外務省(大使館等)による「この外国人は日本に入国させても差し支えない(適格である)」という推薦書のような役割を果たします。

そのため、ビザは日本に「入国するため」に必要なものであり、日本の空港や港で入国審査を受け、入国した(パスポートに上陸許可のシールが貼られた)時点でその役割を終えます。

「在留資格」は日本で生活・活動するための「ライセンス」

一方、在留資格とは、日本に入国した外国人が「日本に滞在期間中、どのような活動を行ってよいか」を法務省(出入国在留管理局)が定めた資格(ライセンス)です。 日本に中長期滞在する外国人が持っている「在留カード」に記載されているのは、ビザではなくこの「在留資格」です。

現在、在留資格には約30の「種類」があり、それぞれ日本で行うことができる活動内容が法律で厳格に定められています。

  • 就労(仕事)に制限がある在留資格(主にビジネス・就労系) 「技術・人文知識・国際業務」「経営・管理」「特定技能」「技能」など。 ※許可された専門分野の仕事しかできません。

  • 就労(仕事)に制限がない在留資格(主に身分・地位系) 「日本人の配偶者等」「永住者」「定住者」など。 ※日本人と同様に、どのような職種でも(単純作業であっても)フルタイムで働くことができます。

このように、持っている在留資格によって、「働けるか」「どのような仕事ができるか」「在留期間」「更新の可否」などが全く異なります。

「就労ビザだから安心」という落とし穴に注意

企業様で特に注意が必要なのが、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などの就労系在留資格を持つ外国人を雇用する場合です。

「就労可能なビザを持っているから、自社の現場を手伝ってもらっても大丈夫だろう」と考えてしまうケースがありますが、これは非常に危険です。重要なのは、「現在の会社での実際の仕事内容が、本人の在留資格に適合しているか」という点です。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で、海外取引の営業や通訳・翻訳のオフィスワークをしていた外国人が、社内の人手不足を理由に「工場での単純なライン作業」や「飲食店の接客・レジ打ち」などの業務に全面的に配置転換された場合、在留資格で認められた活動(知的専門職)の範囲外とみなされます。

このような状況のまま放置してしまうと、次回の在留期間更新の手続きの際に「ビザの更新が認められない(不許可)」となるだけでなく、企業側も「不法就労助長罪」という重いペナルティを科されるリスクが生じます。

そのため、外国人を新しく採用する際だけでなく、採用後に社内で異動や配置転換を行う場合にも、必ず在留資格との適合性を確認しなければなりません。

トラブルを防ぐため「採用前の確認」を徹底しましょう

外国人採用や中途採用をスムーズに進めるためには、「採用してからビザの手続きを考えよう」ではなく、「採用する(内定を出す)前に確認する」ことが、企業・外国人双方にとって一番の安心につながります。

具体的には、選考の段階で以下の項目を総合的に確認することが重要です。

  • 現在の在留資格の種類(就労制限の有無)

  • 在留カードの有効期限と就労可否の記載

  • (転職者の場合)これまでの学歴・職歴

  • 自社で実際に担当してもらう具体的な業務内容、雇用条件

まとめ

「ビザ」と「在留資格」の違い、そして在留資格制度は、個々の外国人の学歴・職歴や、企業様の詳しい業務内容によって判断が細かく異なります。

「この仕事内容は、現在の在留資格のままで就かせても問題ないか」 「新しく雇用するにあたって、在留資格の変更が必要なのか」

少しでも疑問や不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。入管業務の専門家として、適切な制度の活用から確実な手続きまでしっかりとサポートいたします。

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